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独占禁止法の法律相談.com
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HOME金融取引に関わる問題不当な取引制限と建築基準法違反

場合によっては不当な取引制限として、排除措置命令の対象になり得るので要注意です!

金融取引に関わる問題
金融機関が共同で建築基準法違反の建物の購入資金の貸出をしないことは、それによって、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争が実質的に制限されれば、不当な取引制限に該当します。

不当な取引制限に該当する場合には、公正取引委員会から排除措置命令、場合によっては、刑事罰の対象になり、また銀行法上の業務停止命令の対象になる可能性があります。

なお、刑事罰は、担当者個人について3年以下の懲役刑又は500万円以下の罰金刑、法人については5億円以下の罰金刑であり両罰規定になっています。

また、排除措置命令の対象になると、『独占禁止法に違反した違法行為に従事した企業』というレッテルが貼られることになりますし、排除措置命令が確定すると、民事損害賠償訴訟では、行為の違法性が推定されて敗訴する危険性が高まります。

さらにやっかいなのは、排除措置命令が発令された場合に、当該命令に違反してしまった場合には、刑事罰が適用されることです。刑事罰の重さは、個人については2年以下の懲役又は300万円の罰金、法人については3億円以下の罰金(両罰規定)です。

『独占禁止法に違反した企業』というレッテルが貼られてしまったり、業務停止命令の対象になったり、民事損害賠償の対象になるような事態はすべからく避ける必要があります。

さらには、課徴金納付命令が発令される可能性もあります。

上記に加えて、銀行の場合には、銀行法上のリスクを念頭におく必要があります。

不当な取引制限に違反することにより、法令違反の行為を犯したとして銀行法第26条による業務停止命令や銀行法第27条の免許停止・取消し命令の対象になる場合もあり得ます。

上記のようなリスクは、いずれも、すべからくして回避する必要があります。


そこで、ポイントとなるのが、建築基準法を遵守させるという効果をもつ協調行為が公共の利益に反しない特段の事情があるとして、不当な取引制限に該当しないといえるかです。確かに建築基準法の遵守は重要ですが、金融機関が協調して実行しないと実現ができない問題とまではいえませんから、特段の事情が存在することについての立証は難しく、それゆえ、不当な取引制限に反する可能性があるといえ、十分注意が必要です。
 
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