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独占禁止法の法律相談.com
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HOMEジョイントベンチャー取引に関わる問題JVと不当な取引制限

場合により、不当な取引制限として、課徴金や排除措置命令、果てには刑事罰の対象にすらなり得る!!

ジョンとベンチャー取引に関わる問題
問題点とリスク

『当社とA社は、X製品の製造・販売会社であり、B社を設立し、当社が51パーセントの株式を、A社が49パーセントの株式を取得し、設立後、当社とA社は、X製品の販売部門をB社に譲渡して、B社を通じて、X製品の販売情報を交換した。』

上記に掲げた行為に見覚えのある場合には要注意です。

上記の行為は、場合によっては、不当な取引制限に該当し、公正取引委員会から課徴金や排除措置命令、場合によっては、刑事罰の対象になる可能性があります。

なお、刑事罰は、担当者個人について3年以下の懲役刑又は500万円以下の罰金刑、法人については5億円以下の罰金刑であり両罰規定になっています。

また、排除措置命令の対象になると、『独占禁止法に違反した違法行為に従事した企業』というレッテルが貼られることになりますし、排除措置命令が確定すると、民事損害賠償訴訟では、行為の違法性が推定されて敗訴する危険性が高まります。

さらにやっかいなのは、排除措置命令が発令された場合に、当該命令に違反してしまった場合には、刑事罰が適用されることです。刑事罰の重さは、個人については2年以下の懲役又は300万円の罰金、法人については3億円以下の罰金(両罰規定)です。

『独占禁止法に違反した企業』というレッテルが貼られてしまったり、民事損害賠償の対象になるような事態はすべからく避ける必要があります。

問題点の解決方法

共同出資会社を通じてであれ、競争業者が販売情報という競争条件に密接に関わる情報を交換することは、これにより、販売価格の同一化が図られるなど競争阻害的効果が発生する可能性があり、そのため、不当な取引制限として、独占禁止法に違反する可能性がでてきます。なお、共同出資会社を通じて競争条件に関わる情報を競争業者が交換した場合に、これについて、独占禁止法の適用を免除するという考え方は存在しません。

よって、問題点を回避するためには、競争条件については一切情報交換せず、仮に情報交換するとしても過去の情報のみにするなど、競争への影響が小さいものに限定する必要があります。また、販売価格や販売量については、自主的な判断により決定したことを証拠により裏付ける必要があります。共同出資会社を設立するというのはある意味でパートナーシップのように密接な関係が成立するわけで、協力関係をとらざるを得ないようなビジネス局面はあろうかと思いますが、『違法企業』のレッテルを貼られてしまっては元も子もないですから、不当な取引制限に違反したと疑われないよう心がける必要があるといえます。
 
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