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独占禁止法の法律相談.com
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HOMEジョイントベンチャー取引に関わる問題市場占有率の高い競争者

設立が認められない場合もあり得ます!

ジョンとベンチャー取引に関わる問題
共同出資会社の設立が認められるか否かは、設立により、「競争を実質的に制限することとなる」か否かにより判断されます。

そのため、例え市場占有率の高い競争者がいたとしても、「競争を実質的に制限することと」なるのであれば、共同出資会社の設立は認められません。

例えば、PSジャパンと大日本インキのポリエチレン事業の統合事案が好例として挙げられます。

PSジャパンは、大日本インキによるポリスチレン事業を譲り受け、大日本インキがPSジャパンに出資することにより、両社のPS事業を統合するというものでした。

国内でPSを製造しているメーカーは4社で、大日本インキ以外の3社は、PSの原料であるスチレンモノマーを製造している会社と資本関係があり、そこから原料の供給を受けていました。この統合が行われると、当事会社は、PSの取引分野において約50%の販売シェアを占めることになることが予想されていました(統合後のHHI3600、統合による増加分800)。シェア30%と20%を有する競争者が存在するが、高度に寡占市場となるので、協調的行動をとることが予想され、有効な牽制力のある競争者とはなりにくく、それゆえ、市場支配力が生ずることが予想されていました。また、各社は、相互に生産能力を容易に知ることができる状況にあり、生産能力に占める原材料の割合が大きく費用構造が類似していること、報道等で各社の価格値上げが容易に確認できること等により、競争者がお互いの行動を高い確立で予測できる状況にありました。当事会社は、公正取引委員会から指摘された問題点を解消する方向で検討をしましたが、結局、本件の共同出資会社の設立を断念することにしました。
 
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