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独占禁止法の法律相談.com
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HOME課徴金減免申請に関わる問題Compliance Credit

 US Leniency
 What is Complaince Credit?
Compliance Creditとは将来に向けて有効なコンプライアンス・プログラムを導入することについて、罰金額等が減額されるなどの恩典が与えられることを意味します。上記のように、米国以外の国や地域においても導入されており、カルテルの嫌疑で摘発された場合にどのようにして罰金額を減額していくのか考察する際に考慮の対象とすべきでしょう。

米国における米国司法制度上、刑罰を課す場合、裁判所は、犯罪の重大性等複数の要素を勘案します(18 U.S. Code § 3553(a)(2))が、罰金刑の場合には、懲戒処分や再発防止策の実施の有無等を特に考慮します(18 U.S. Code § 3572(a))。かかる考慮を通じた罰金額の減額は理論的には従前より可能でしたが、反トラスト局は、「コンプライアンス・クレジット」の認定により、このような制度運用を通じて、罰金額の減額があり得ることを明らかにしたものです。反トラスト局がこのような認定をしたのは、Barclay事件とKYB事件の二件です。反トラスト局は、いずれの事件においても、企業文化を変えるための「extra ordinary」な努力が払われたことを認定しているのですが、このような事実を認定するに際して、Barclay事件では、@上級職員を解雇し、コンプライアンスを重視する後任を着任させたこと、A内部統制及び管理に関する既存の書面に対する詳細な分析及び業界のガイドライン等の検討を含む、内部統制、リスク管理プログラムの再検討を実施したこと、B全世界の9000名の職員に対してアンケートを、600名以上の関係者にインタビューを実施し、それに基づいて組織構造を変革し、コンプライアンス部門の独立性を高めたこと、C法務及びコンプライアンス機能をビジネス部門から完全に独立させたこと、Dチャット・ルームの使用及び電子的な方法を用いた情報交換に対する新しい規制の導入等、外国為替証拠金取引(Foreign Exchange Margin Trading)の業務方法を見直してこれを修正したことを 、KYB事件では、@トップ・マネジメントがコンプライアンスを実現することについて明確な指針を明らかにして、役職員と共有していること、A上級職員及び営業職員に対してトレーニングを実施し、カルテルのリスクが高い部門についてはクラスルームタイプのトレーニングではなく、個別面談方式のトレーニングを実施していること、トレーニングの有効性を検証する機会を設けていること、B内部通報制度を設けてこれを運用していること、C競争事業者の関係者と会う場合に事前申請を義務化して法務部がこれを確認し、営業職員が価格を決定する場合に、競争事業者との情報交換によってこれを決めたものではないことを表明保証しなければならないとしていること、D上級職員2名を含む、カルテルに関与した関係者に対して、速やかに降格処分や営業職からの異動を含む懲戒処分を実施したこと を重視しています。

 
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