THIS WEBSITE IS HOSTED BY DR. AKIRA INOUE, (PH. D., ATTORNEY & COUNSELLOR AT LAW, ADMITTED IN JAPAN & NEW YORK STATE, UNITED STATES OF AMERICA)


独占禁止法の法律相談.com
このサイトは、Dr. Inoue(井上朗(法学博士・弁護士(日本国・米国ニューヨーク州)))により運営されています。
Home
Who is Dr. Inoue 独禁法論文・講義録 独禁法書籍 免責事項


カテゴリー一覧
ライセンス契約に関わる問題
下請取引に関わる問題
代理店取引に関わる問題
ジョイントベンチャー取引に関わる問題
入札談合に関わる問題
課徴金減免申請に関わる問題
企業結合に関わる問題
金融取引に関わる問題
流通取引に関わる問題
景品及び表示に関わる問題

サイト情報
免責事項
お問合せ

井上朗博士の執務室
当サイトを運営するDr. Inoue(井上朗(法学博士・弁護士))の執務方針、経歴の詳細、ヴァージニア大学における研究記録などを紹介するサイトです。
「リニエンシーの実務」
Dr. Inoueの米国での研究結果の一部である「リニエンシーの実務(競争法の荒波から企業を守れ)」が発売されております。

「B2B取引コンプライアンスバイブル」
Dr. Inoueの研究成果の一環であり、博士論文執筆による分析成果でもある「B2B取引コンプライアンスバイブル(競争法的コンプライアンスの理論と実践)」が発売されました。
「Japanese Antitrust Law Manual, Law, Cases and Interpretation of the Japanese Antimonopoly Act」
Dr. Inoueが執筆した英文による独占禁止法の解説書がKluwer Law International社から出版されました。日本でも購入が可能です。
HOME流通取引に関わる問題実体編拘束条件付取引

製品販売の際の条件の付し方によっては、拘束条件付取引に該当し、場合により独占禁止法に違反し、排除措置命令の対象になる可能性がある!

流通取引に関わる問題
問題点とリスク

『ソフト会社がパソコンメーカーに対して基本ソフトを搭載して出荷する権利を許諾するにあたり、競合他社のソフトを取り外すことを条件として、基本ソフトのライセンス料を引き下げた。』

『商品を小売業者に販売するにあたり、一般消費者に直接販売することを義務付け、横流し(他の小売業者への販売)を禁止した。』

上記のような行為に見覚えがある方は要注意です。

上記の行為は、拘束条件付取引として、公正取引委員会の排除措置命令の対象になる可能性があります。

排除措置命令の対象になると、『独占禁止法に違反した違法行為に従事した企業』というレッテルが貼られることになりますし、排除措置命令が確定すると、民事損害賠償訴訟では、行為の違法性が推定されて敗訴する危険性が高まります。

さらにやっかいなのは、排除措置命令が発令された場合に、当該命令に違反してしまった場合には、刑事罰が適用されることです。刑事罰の重さは、個人については2年以下の懲役又は300万円の罰金、法人については3億円以下の罰金(両罰規定)です

上記の例で掲げたような取引条件を設定することは、会社の方針等に照らして必要であることもありますが、『独占禁止法に違反した違法行為に従事した企業』というレッテルを貼られるようなこととなれば、本末転倒です。

したがって、独占禁止法違反に該当するような行為は、すべからく、これを避ける必要があります。

問題点の解決方法

問題点を回避するための方法論としてのポイントは2点です。

第1に、拘束的な取引条件を設ける取引上の合理的な理由がある場合以外は、このような条件を設けないという方法です。

第2に、仔細な市場分析により、拘束的な取引条件を設定しても、競争阻害的効果が発生せず、他の事業者が事業活動を行ううえで困難が発生する可能性がないことを証拠により裏付けられる場合を除いて、このような拘束的な取引条件を設けないという方法です。ただし、市場の外延の確定は、若干複雑な分析を要しますし、市場確定の方法如何では、容易に競争阻害的効果の捕らえ方に差異が発生しますから、この方法は、それほど、実際的とはいえません。

いずれにしても、公正取引委員会の排除措置命令により、『違法行為に従事した企業』というレッテルが貼られる事態はすべからく避ける必要がありますので、上記で掲げた手段により、独占禁止法に違反しないような方法を取る必要があるといえます。
 
お問い合わせ  (C) AKIRA INOUE ALL REIGHT RESERVED.