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独占禁止法の法律相談.com
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HOME流通取引に関わる問題実体面反トラスト法と排他取引

排他取引として、シャーマン法第1条、クレイトン法第3条、連邦取引委員会法第5条に違反する可能性があります

流通取引に関わる問題
排他取引は、シャーマン法第1条、クレイトン法第3条、連邦取引委員会法第5条によって反トラスト法上の審査に服します。クレイトン法上の基準は、問題となっている市場においてその協定が実質的に競争を減殺させたかどうかです。他方で、シャーマン法および連邦取引委員会法上は、合理の原則により、合法か違法か判断されることになります。

実際に行われている排他取引による取引制限が合理的なものか否かは、2つのテストにより判断されます。

第1のテストは、量的基準と呼ばれるテストです。このテストでは、閉鎖された市場のパーセンテージ、つまり排他条件付協定により閉じ込められた製品のパーセンテージを審査の対象とします。他の要素とも関連しますが、その市場の7パーセント程度の閉じ込めが発生すれば、制限が不合理であると判断されるのに十分であるといわれています。これは、7パーセントの閉じ込めがあると、排他取引が不合理で、反トラスト法上違法であると判断されるといっているのではないことに注意してください。

第2のテストは、質的基準と呼ばれるテストです。質的基準は、今日、量的基準よりも、より頻繁に用いられています。これは、排他取引条件付契約により支配されているマーケット・シェアの程度、現実の競争者の存在や新たな競争者の参入の難易、この契約が結ばれた営業上の理由、関係当事者の強さ、契約期間、その産業の構造面について長期的な変動が生ずるかどうか、といった諸要因を考察することによって、市場に対するその効果を決定する方法です。

裁判所は、基本的に、所定の競争促進的な側面と競争阻害的な側面とを検討し、全体としてその協定が反競争的か否か判断します。これは、潜在的あるいは現存の排他条件付取引契約を検討する場合に、具体的な指標を提供するものではありませんが、裁判所は、このような基準を用いて、ある排他取引協定が反トラスト法に違反しているか否か判断しているのです。

競合する流通経路に流通させないことを買手に要求することは競争を実質的に減少させる恐れがあるので、不当な取引制限になる恐れがあります。しかし、売手の競争者の製品にとって、他に十分な販路があり、買手の市場占有率が高いものでない場合には、競争阻害的効果の度合いはそれ程高くないかもしれません。このように、排他取引については、諸般の事情を総合的に考慮することになりますから、その分析は、えてして複雑になりがちです。
 
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