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独占禁止法の法律相談.com
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井上朗博士の執務室
当サイトを運営するDr. Inoue(井上朗(法学博士・弁護士))の執務方針、経歴の詳細、ヴァージニア大学における研究記録などを紹介するサイトです。
「リニエンシーの実務」
Dr. Inoueの米国での研究結果の一部である「リニエンシーの実務(競争法の荒波から企業を守れ)」が発売されております。

「B2B取引コンプライアンスバイブル」
Dr. Inoueの研究成果の一環であり、博士論文執筆による分析成果でもある「B2B取引コンプライアンスバイブル(競争法的コンプライアンスの理論と実践)」が発売されました。
「Japanese Antitrust Law Manual, Law, Cases and Interpretation of the Japanese Antimonopoly Act」
Dr. Inoueが執筆した英文による独占禁止法の解説書がKluwer Law International社から出版されました。日本でも購入が可能です。
HOME流通取引に関わる問題実体編弱小メーカーによる不当な取引制限

不当な取引制限に該当する可能性があります!

流通取引に関わる問題
他の事業者との共同行為が一定の取引分野における競争を実質的に制限することに該当する場合には、不当な取引制限に該当し、刑事罰、排除措置命令、課徴金納付命令を発令されるリスクが発生します。事業者の行為が一定の取引分野における競争を実質的に制限するか否かは、個々の事案ごとに判断するしかありませんが、共同行為を行った事業者の市場占有率が比較的低い場合でも不当な取引制限の成立が認定された事案が存在することに注意すべきです。また、事業者団体の場合において、一定の取引における競争の実質的制限に至らなくても、構成事業者の機能活動を不当に制限するような行為を決定する場合には、独占禁止法8条1項4号に違反します。いずれにしても、事業者間で販売価格を決めるという行為は、不当な取引制限に該当する可能性が高い行為であり、コンプライアンスの見地からして、これを行うべきではありません。

なお、一定の取引分野における競争の実質的制限が成立しているか否かの判断において、カルテル事件の場合には、参加した事業者の市場占有率の合計が市場全体の中でどの程度を占めているかが重要な判断要素とはなっていますが、実際上は事案の内容に応じてのケースバイケース判断によらざるを得ず、一律に基準を設定することは困難です。従来の審決例では、市場占有率の大部分(概ね60パーセント以上)を占めている場合がほとんどですが、市場確定の方法如何によっては、市場占有率は簡単に変動しますし、カルテル参加事業者の市場占有率が50パーセントに満たない場合であっても、市場の状況、たとえば少数の大手事業者と多数の中小業者とで構成される市場において価格指導力を有する大手事業者がカルテルを行った場合には、競争の実質的制限が認定された事例もあります。野田醤油等価格協定事件では、事業者の市場占有率は、全国規模で約20パーセントでしたが、不当な取引制限に該当し、違法であると判断されました。
 
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