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独占禁止法の法律相談.com
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HOME流通取引に関わる問題実体編優越的地位の濫用

場合により、優越的な地位の濫用行為として独占禁止法に違反し、排除措置命令の対象になる可能性がある!

流通取引に関わる問題
問題点とリスク

『業界首位のチェーンストアの本部がチェーン店の販売促進等のために企画した催事について、納入業者に対して、協賛金の負担を要請し、実際に負担させた。』

上記のような行為に見覚えがある方は要注意です。

上記の行為は、優越的な地位の濫用として、公正取引委員会の排除措置命令と課徴金納付命令の対象になる可能性があります。課徴金の金額は、売上の1%で最長10年間です。

排除措置命令の対象になると、『独占禁止法に違反した違法行為に従事した企業』というレッテルが貼られることになりますし、排除措置命令が確定すると、民事損害賠償訴訟では、行為の違法性が推定されて敗訴する危険性が高まります。

さらにやっかいなのは、排除措置命令が発令された場合に、当該命令に違反してしまった場合には、刑事罰が適用されることです。刑事罰の重さは、個人については2年以下の懲役又は300万円の罰金、法人については3億円以下の罰金(両罰規定)です

催事に際して、協賛金を拠出させれば、確かにコスト的には得をするかもしれませんが、『独占禁止法に違反した違法行為に従事した企業』というレッテルを貼られるようなこととなれば、本末転倒です。

したがって、独占禁止法違反に該当するような行為は、すべからく、これを避ける必要があります。

問題点の解決方法

問題点を回避するための方法論としてのポイントは2点です。

第1に納入業者が自社と取引を継続する必要性が高い場合には、一切、協賛金の拠出を依頼しないということが考えられます。取引関係を利用して、納入業者に対して、拠出する必要のない協賛金を拠出させるところに独占禁止法上の優越的地位の濫用規制に違反するポイントがあるわけですから、利用できるような取引関係が存在しないのであれば優越的な地位の濫用規制には違反しません。

第2にインフォームドコンセントを徹底し、協賛金を拠出しなくても不利益な扱いをしないことを明確にした上で、協賛金の拠出を依頼するということが考えられます。

いずれにしても、公正取引委員会の排除措置命令により、『違法行為に従事した企業』というレッテルが貼られる事態はすべからく避ける必要がありますので、上記で掲げた手段により、独占禁止法に違反しないような方法を取る必要があるといえます。
 
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