EU競争法の適用範囲

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EC条約第81条によると、競争を制限する協定、協調行為であったとしても、加盟国間の競争に影響を与える可能性のないものについては禁止されていません。同様に、EC条約第82条でも、支配的地位の濫用が認められたとしても、加盟国間の取引に影響を及ぼす可能性のない場合には、適用がありません。「加盟国間の取引に影響する」という要件が満たされることがEU競争法の適用要件といえます。この要件が満たされるか否か判断するための基準は3つあり、第1に加盟国間取引の概念、第2に影響の可能性の概念、第3に顕著な性質の概念がこれに該当します。EU競争法の適用可能性を分析する場合には、以上の3つの要件の該当可能性を必ず検討する必要があります。

Authored by Dr. Inoue

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このページは、Dr. Inoueが2007年12月12日 13:23に書いたブログ記事です。

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Dr. Akira Inoue

欧州競争法を専門とする法学博士・弁護士(日本国及び米国ニューヨーク州)。Baker & Mckenzie GJBJのAntitrust Practice Groupのメンバーの一員である。