EC条約第81条

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EU競争法上、水平的協定に対するレギュレーションを提供するのはEC条約第81条です。欧州委員会は、EC条約第83条に基づき、同第81条第1項に違反する罰則および制裁を定め、また同第81条第3項に基づく免除の運用規則を制定する権限を有しています。EC条約第81条の規定は以下のとおりで、欧州における水平的協定に対する規制を分析する上で、一読の必要があります。
『1 構成国間の取引に影響を及ぼす恐れがあり、かつ共同市場内の自由競争の阻害、制限または歪曲することを目的とするかまたはそうした結果を生ずる、特に次のものを含む企業間の、協定、事業者団体の決定、および協調的行為は共同市場と両立せず、禁止される。
(a) 購入価格、販売価格、その他の取引条件を直接または間接に設定すること
(b) 生産、販路、技術開発または投資を制限または統制すること
(c) 市場または供給源を分割すること
(d) 取引の相手方に対して、同等の給付に異なる条件を適用し、その結果、当該相手方を競争上不利な立場におくこと
(e) 契約の性質上または商慣習上、契約の対象と関連のない付加的義務を相手方が受諾することを条件として契約を締結すること
2 本条の規定により禁止される協定または決定は、当然に無効である。
3 ただし、第1項の規定は、次のいずれかに該当する場合には適用できないことを宣言することができる。
(a) 事業者間の協定またはこれと同種のもの
(b) 事業者団体が行う決定またはこれと同種のもの
(c) 協調的行為またはこれと同種のもの
であって、製品の生産もしくは流通を改善しまたは技術的もしくは経済的進歩を促進することに寄与し、かつ、その結果生ずる利益が利用者に公正に与えられること。ただし次のものを除く。
(i) 前記の目的の達成に不可欠でない制限を関係事業者に課すもの
(ii) これらの事業者に、当該製品の主要部分に関し、競争を排除する可能性を与えるもの』

Authored by Dr. Inoue

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このページは、Dr. Inoueが2007年12月15日 23:44に書いたブログ記事です。

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Dr. Akira Inoue

欧州競争法を専門とする法学博士・弁護士(日本国及び米国ニューヨーク州)。Baker & Mckenzie GJBJのAntitrust Practice Groupのメンバーの一員である。