有機過酸化物カルテル事件についての欧州第一審裁判所の判断

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2008年7月8日、欧州第一審裁判所は、有機過酸化物カルテル事件についてのAC Treuhand AGの訴えを退け、欧州委員会の決定を支持しましたね。AC Treuhand AGは有機過酸化物を生産しておらず、それゆえ、市場の参加者ではなく、カルテルにおいてもファシリテーターとして活動していたに過ぎませんでしたが、欧州委員会は、AC Treuhand AGについて、EC条約第81条違反を認定したのです。なお、欧州委員会の制裁金賦課決定では、制裁金の金額は1000ユーロとされていました。当該カルテルについては、Akzo Nobel Chemicalが2000年に、制裁金の減免を求めて、欧州委員会に対して、カルテルの存在について、決定的な証拠を提供したことでも話題になりました。

Reported by Dr. Inoue

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このページは、Dr. Inoueが2008年7月 9日 23:12に書いたブログ記事です。

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Dr. Akira Inoue

欧州競争法を専門とする法学博士・弁護士(日本国及び米国ニューヨーク州)。Baker & Mckenzie GJBJのAntitrust Practice Groupのメンバーの一員である。