欧州司法裁判所、ソニーとBMGのJV契約の判断を欧州第一審裁判所に差し戻す

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2008年7月10日、欧州司法裁判所が注目の判断をしましたね。かねてから注目が集まっていた、ソニーとBertelsmann Music Group(BMG)のJVについての欧州第一審裁判所の判断について、欧州司法裁判所は、審理を欧州第一審裁判所に差し戻しました。そもそも、欧州第一審の判断は、ソニーとBMGによるJVの設立を認めるという2004年になされた欧州委員会の判断を覆すものでした。欧州司法裁判所の判断の詳細は、判決全文に譲りますが、判決では、実体分析よりも、欧州第一審裁判所が異議告知書に依拠しすぎて判断していること、欧州委員会が引用できない秘密文書を分析の基礎にして欧州第一審裁判所が判断していることなど、手続的側面に対する分析から結論を導いている点が注目に値するかと思います。

Reported by Dr. Inoue

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このページは、Dr. Inoueが2008年7月19日 22:58に書いたブログ記事です。

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Dr. Akira Inoue

欧州競争法を専門とする法学博士・弁護士(日本国及び米国ニューヨーク州)。Baker & Mckenzie GJBJのAntitrust Practice Groupのメンバーの一員である。