競争法違反に対する欧州委員会の決定

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欧州委員会は、EC条約第81条及び第82条違反の場合、決定によって当該企業にそのような行為を中止させることができます。しかし、決定が出される前に企業が行為をやめた場合には決定は単に違反を宣言するだけの効力を有するに過ぎません。決定は理由が明確に述べられたものである必要があります。しかし、欧州委員会の理由とする本質的要素を裁判所に明らかにするような明示の一貫したものであれば足ります。欧州委員会は手続中扱ったすべての法的観点及び事実について言及する必要はありません。欧州委員会の命令権は、当事者に違反を止めさせるにとどまらず、違反によす損害を補完するような命令を課することもできます。すなわち、規則上、欧州委員会は企業に違反を効果的に辞めさせる如何なる性質の措置も取ることができることを明示しています。しかし、企業の組織構造を変更する性質の措置は、企業の行動を改める性質の措置がより効果的に義務を課することができない場合にのみ課することができるに過ぎません。

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このページは、Dr. Inoueが2007年12月15日 21:32に書いたブログ記事です。

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Dr. Akira Inoue

欧州競争法を専門とする法学博士・弁護士(日本国及び米国ニューヨーク州)。Baker & Mckenzie GJBJのAntitrust Practice Groupのメンバーの一員である。