取消訴訟の法的効果

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欧州第一審裁判所に対する取消訴訟の提起は、欧州委員会の決定に対する停止の効果はありませんが、第一審裁判所は、場合によっては、このような効果を認めることがあります。裁判所は必要な暫定措置を取ることもできます。そのため、申立人は、暫定措置を、裁判所に申請することができますが、最終的な判決を害するような法や事実をゆがめる行為は許されません。また、主要な手続が継続中の場合にのみ申請することができます。執行猶予や暫定措置を申請するためには、申立人は、以下のような条件を満たす必要があります。すなわち、①緊急性が認められること。すなわち、重大で回復不可能な損害を避けるために措置が必要であることの証明、②申立人は、執行猶予や暫定措置がとりあえず正当化される事由を述べること。すなわち、全く根拠のない主張ではないこと、および③裁判所が関係者の利益のバランスを考慮し、措置が適切であると判断することがその条件です。

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このページは、Dr. Inoueが2007年12月15日 22:25に書いたブログ記事です。

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Dr. Akira Inoue

欧州競争法を専門とする法学博士・弁護士(日本国及び米国ニューヨーク州)。Baker & Mckenzie GJBJのAntitrust Practice Groupのメンバーの一員である。