Hearing at European Commission
異議告知書に対する答弁書が提出された後、所定の期日に口頭での聴聞が実施されます。
聴聞は、聴聞官(Hearing Officer)が主宰し、当事者及び加盟国競争当局の担当官が出席します。
上記の者以外にも、違反行為の申立人が書面で期日における意見表明を希望し委員会が適切であると認めた場合)、十分な利害関係を示した第三者につき期日での意見表明が適切であると委員会が認めた第三者、当該事件について書面で意見表明をなし、期日に参加を希望する第三者に口頭での聴聞において意見を述べさせる場合には第三者も聴聞手続に参加できます。
期日においては、事実及び欧州委員会の主張の要約の告知、第三者の意見陳述、当事者の主張、紙国競争当局の質問、欧州委員会及び聴聞官からの質問がなされ、通常1日で終了します。
聴聞官には独立性が保障されています。しかし、欧州委員会の職員であることには変わりはなく、聴聞手続は当事者主義的なものではなく、糾問的な手続です。したがって、民事訴訟の口頭弁論におけるような反対尋問を含む証人尋問のような場ではありません。委員会の事実認定は原則として書面主義であり、聴聞手続は、デュー・プロセスの原理に基づく防御権を直接主義の観点から補完する手続と位置づけられています。
聴聞の実施後、委員会は決定案の諮問委員会への諮問を経て制裁金について正式な決定をします 。聴聞手続は、異議告知書の送付から原則半年、長くても1年以内に終結し、正式な決定がなされます。
Authored by Dr. Inoue
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欧州委員会におけるOral Hearingについては以前にも解説したところですが、今回は、より実務的な側面について解説したいと思います。 続きを読む
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