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不公正取引規制概観
第1 独占禁止法の規制内容
戦後、とりわけアメリカ法の強い影響を受けて昭和22年7月に制定された「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」は、一般的に、単に「独占禁止法」と呼ばれている。同法は、事業者間での公正かつ自由な競争を促進することによって、事業活動を盛んにし、雇用及び所得の水準を高め、最終的には、一般消費者の利益を確保し、国民経済の民主的で健全な発展を促進することを目的として制定された法律であり、同法は、その後の政治状況ないし経済状況に応じて何度か改正されてはいるが、その基本的な目的は、現在も変わるところがない。独占禁止法は、@私的独占の禁止、A不当な取引制限の禁止、B不公正な取引方法の禁止の3つを基本的な柱としている。

@私的独占とは、ある事業者が他の事業者を市場から排除したり、他の事業者の事業活動をできなくしたりすることをいう。これは、市場において独占的な地位を占める事業者等による一定の行為を規制するものであるから、この規制の対象となる事業は、限定される。

A「不公正な取引制限」とは、複数の事業者間で、契約・協定・その他どんな名目であれ、価格・数量・取引の相手方等について相互に取決めをすることによって、互いに競争を制限したり、競争を止めたりすることをいい、通常は、「カルテル」という。

B「不公正な取引方法」とは、不当に他の事業者を差別的に取り扱ったり、不当な対価をもって取引したり、いわゆる再販売価格を指示し、これを守らせるなどの不当な拘束条件をつけて取引したりするなど、独占禁止法2条9号各号に掲げる取引であり、公正取引委員会が指定するものをいう。このような指定としては、現在、どの業界にも一般的に適用されることから「一般指定」と略称される「不公正な取引方法」(昭和57年6月18日公正取引委員会告示第15号)によるものと、特定業種に固有の指定(いわゆる「特殊指定」)がある。

第2 不公正な取引方法とは?
一般指定により、公正取引委員会が、「不公正な取引方法」として指定・禁止する行為は、次のとおりである。
1 「不当な取引拒絶」
自己の競争者と共同して、あるいは単独で、ある事業者との取引を拒絶したり出荷制限したりする行為を禁止対象とするものであり、前者の共同の取引拒絶は、原則的に違法であり、後者の単独の取引拒絶は、独占禁止法上、不当であると判断される場合にのみ違法となる。なお、たとえば、小売業者が共同して取引先である卸売業者に対して廉売小売業者との取引を止めさせるような場合も、間接の取引拒絶として違法とされる。

2 「差別対価・差別的取扱」
対価について、地域又は相手方によって差別的に取り扱ったり、対価以外の取引条件等について事業者によって差別的に取り扱うことを禁止対象とするものであり、いずれも、独占禁止法上、不当と判断される場合にのみ、違法となる。需給関係、取引数量の大小、決済条件の相違から、価格その他の取引条件に差異が発生することまで違法とするものではないが、たとえば、廉売業者に対してのみ差別的な取引条件を付するような場合には、不当な差別的取扱いとして、違法とされる。

3 「不当廉売」・「不当高価購入」
「商品又は役務をその供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給」することにより競争者の事業活動を困難にするものは、原則的に違法とされる。上記は、通常、「不当廉売」といわれるものであるが、その規制の詳細は、昭和59年11月に、公正取引委員会から公表された「不当廉売に関する独占禁止法上の考え方」を検討する必要がある。不当廉売と反対に、不当に高い対価で購入し、他の事業者の事業活動を困難にすることも、違法とされる。

4 「ぎまん的顧客誘引」・「不当な利益による顧客誘引」
一般消費者に誤認される虚偽・誇大表示や取引に付随する過大な景品類の提供がここでの禁止行為の典型例といえるが、これらは、独占禁止法の特別法である「不当景品類及び不当表示防止法」により、迅速・簡易な手続によって規制が図られている。また、業界ごとに、同法に基づく公正取引委員会の認定を受けた「公正競争規約」も多数存在するが、その場合には、同規約が景表法と同一の規制根拠となる。もっとも、昨今の、いわゆる「規制緩和」の要請により、公正取引委員会においても、当該規制を、より緩やかにする方向であることが、具体的に、表明されている。

5 「抱合せ販売等」
たとえば、売れ筋商品Aの販売に際して、商品Bを合わせて購入するよう強制する行為も、この組み合わせに、合理的理由が存在しないときは、不当な抱合せ販売として違法になる。通常、かかる行為は、市場において、優越的地位にある事業者でなければなしえないことであるので、「優越的地位の濫用行為」と重複する場合が少なくない。

6 「排他条件付取引」
 たとえば、行為者が売手の場合の「専売店契約」であるとか、買手の場合の「一手販売契約」など、相手方が競争者と取引しないことを条件として当該相手方と取引する場合に、それが、競争者の取引の機会を減少させ、独占禁止法上、不当と評価されるものは違法とされる。

7 「再販売価格の拘束」
 いわゆる「再販売価格維持行為」ないし「再販行為」を原則的に違法とするものである。近時の欧米諸国の法規制の趨勢は、カルテル規制が中心で、いわゆる縦の関係についての規制は緩やかになる傾向にあるが、それでも、再販については、これを、原則違法としているし、この点は、我国においても、異なるところがない。

8 「拘束条件付取引」
前記再販行為が、拘束条件付取引の典型例であるが、それ以外の垂直的非価格制限行為、たとえば、「一店一帳合制」、「テリトリー制」などの行為で、独占禁止法上、不当とされるものも規制対象となる。独占禁止法上、不当であるか否かの判断は、必ずしも容易ではないが、この点は、公正取引委員会から平成3年7月に公表された「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」を参考にする意外にない。

9 「優越的地位の濫用」
取引上の地位が相手方に優越しているものが、その地位を利用して、たとえば、押付販売とか、協賛金の支払い等、競争が機能していれば、受け入れることがない不利益を強要することも、違法とされる。なお、このような取引形態の一つとして、下請取引が存在する。この点については、「下請代金支払遅延等防止法」により、きめ細かい対応が図られている。

10 「取引妨害」・「内部干渉」
たとえば、カルテルの実効を確保するために、アウトサイダー取引を妨害したりするものである。
 
第3 運用過程チェックの必要性
不公正な取引方法として禁止されているのは、上記のとおりである。そこで、日常業務として、契約締結時のチェックとして、排他条件付取引・再販売価格の拘束・拘束条件付取引といったものが含まれていないかどうかを点検・確認する必要がある。しかし、不公正な取引方法として独占禁止法上違法とされる行為の多くは、不当な取引拒絶のように、締結された契約の運用に関わるものであり、かかる観点からすると、契約締結時のチェックのみでは、不十分と思料される。 そこで、企業防衛のためには、契約締結時のチェックはもちろんのこと、その後の運用過程についても、絶えず、チェックをすることが必須である。
独占禁止法等(Antitrust Law)
独占禁止法の基礎知識
カルテル規制に対する法務部の役割
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民事再生法の基礎知識
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