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HOME企業結合に関わる問題届出・手続に関わる問題株式所有報告

一定の場合には、公正取引委員会に対する事後報告の必要があり、報告を懈怠した場合には、罰則の対象にもなり得る!

企業結合に関わる問題
問題点とリスク

『友好的な事業提携の一環として、C社の株式15パーセントを購入し、保有割合第3位の株主となった。』

上記のように、他社の株式を取得することは、戦略上、また事業提携の必要上、まま、あることですが、そのような場合、一定のケースでは、公正取引委員会に対する報告が必要になります。

報告を怠った場合には、200万円以下の罰金の対象になり得るとされ、しかも両罰規定に基づき、会社自体も200万円以下の罰金の対象になり得ます。

このような事態は好ましいものとはいえませんので、株式取得の際には、公正取引委員会に対する報告の要否について検討する必要があるという意識を持っておく必要があります。

解説

株式取得については、従前の事後報告制を改め、平成21年独占禁止法改正により、合併等他の企業結合と同様に事前届出制を採用し、会社は、届出基準を満たす株式の取得をしようとする場合には、あらかじめ当該株式の取得に関する計画を公正取引委員会に届出しなければならないことになりました。また、届出の基準も改正され、企業結合集団の国内売上高が200億円を下回らない範囲で政令で定める金額超の会社が、会社及び子会社の国内売上高を合計した額が50億円を下回らない範囲で政令で定める金額を超える会社の株式に係る議決権を一定比率を超えて取得しようとする場合に、届出義務が課されることになりました。なお、当該基準については外国会社にも同様に適用されます。届出義務が発生する一定比率については、20%と50%の2段階基準によることになります。

また、平成21年改正後の独占禁止法では、「あらかじめ届出を行うことが困難であるとして公正取引委員会規則で定める場合」について届出が免除されることになり、これを受けた企業届出規則において、株式分割又は併合や株式無償割当によって株式を取得する場合、親会社の存在しない投資事業有限責任組合の有限責任組合員となって組合財産として株式を取得する場合等、届出が免除される場面が列挙されています。

株式取得の事前届出がなされた場合、届出受理の日の翌日から起算して30日を経過するまでの期間、当該届出に関係する株式の取得につき決済を行うことはできません。公正取引員会は、原則として当該禁止期間中に排除措置命令の前提となる事前通知を行わなければなりませんが、当該禁止期間内において、届出会社に対し審査に必要な報告、情報又は資料の提出を求めることができ、その場合には、届出受理日から120日を経過した日又は上記全ての報告等を受理した日から90日を経過した日のいずれか遅い日までの期間内に、事前通知を行うことができます。このように審査期間が延長されても、禁止期間が延長されることはなく、届出会社は、禁止期間を経過すれば、株式を取得することができます。したがって、届出会社にとっては、禁止期間内に事前通知がなされないことがいわゆるクリアランスに該当します。もっとも、公取委は、審査期間経過前であれば、問題のある株式取得について、排除措置命令のほか、裁判所に対し緊急停止命令の申立てを行うことができるので注意を要するといえます。

【平成21年独占禁止法改正に対応済み】
 
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