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独占禁止法の法律相談.com
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Dr. Inoueの米国での研究結果の一部である「リニエンシーの実務(競争法の荒波から企業を守れ)」が発売されております。

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Dr. Inoueが執筆した英文による独占禁止法の解説書がKluwer Law International社から出版されました。日本でも購入が可能です。
HOME流通取引に関わる問題手続面立入調査拒否

令状はもっていませんし、正当な理由なく検査を拒否した場合には罰則の対象になります!

流通取引に関わる問題
独占禁止法を前提とする場合

独占禁止法違反被疑事件の審査において、立入検査を行う場合には、審査官は、審査官証を携帯し、相手方にこれを提示して検査を実施します。正当な理由がないのに検査を拒否した場合には、罰則が課されることがあります。責任者の不在という理由で検査を拒むことはできません。この場合、責任者と連絡を取るか、それができない場合には、代わりのものを立会いとして検査に応ずる必要があります。

独占禁止法違反に被疑事件の審査手続において、必要は場合には、独占禁止法47条1項4号に基づく立入検査が実施されます。この立入検査を行うにあたっては、委員会は、事件後とに職員の中から審査官を指定します。審査官は審査官であることを示す身分証明書を携帯し相手方にこれを提示するとともに被疑事実等を記載した文書を交付して立入検査を実施します。責任者が不在であるとか、営業の秘密があるとか、この場所は、事件に関係がないなどの理由で検査を拒むことはできませんし、正当な理由なく検査を拒否した場合には1年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処せられます。両罰規定による法人に対する罰則は2億円以下の罰金です。なお、独占禁止法47条1項の強制調査権限は、犯罪捜査のために認められたものではありません。

諸外国について

諸外国の反トラスト法及び競争法でも、立入検査と同様の調査手続が認められており、調査・捜査の際に頻繁に用いられています。一般的にdawn raidと呼ばれている手続です。米国でも、刑事事件の場合はFBIと米国司法省の検察官が、行政事件の場合にはFTCの捜査官が、dawn raidを実施しますが、これに抵抗すると司法妨害を認定される可能性もありますので注意が必要です。なお、米国において、司法妨害は比較的頻繁に認定されていますし、日本企業について認定された事例もあります。例えば、『不正に又は暴行、脅迫等を用いて、司法の適正な運営に影響を与え,若しくはこれを妨げ、又はそれらを試みた場合等は、10年以下の拘禁刑若しくは罰金に処し、又はこれらを併科する。』(18編1503条)とされています。また、英国でも同様に、立入検査妨害は司法妨害として認定される可能性があるので注意が必要です。公的な司法過程を歪める目的をもって、公的な司法過程を歪める傾向を有する行為に及んだ場合、司法妨害に該当とするとコモンロー上考えられており、刑は法定されていないので、無期拘禁刑が上限となります。通常の量刑は、証人への威迫・干渉の場合は4〜24か月、証拠隠滅の場合は4〜18か月(重大犯罪の場合はより重い刑もあり得る。)、無実の者の逮捕につながった犯罪の虚偽申告の場合は4〜12か月の拘禁刑であるとされています。
 
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