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独占禁止法の法律相談.com
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当サイトを運営するDr. Inoue(井上朗(法学博士・弁護士))の執務方針、経歴の詳細、ヴァージニア大学における研究記録などを紹介するサイトです。
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Dr. Inoueの米国での研究結果の一部である「リニエンシーの実務(競争法の荒波から企業を守れ)」が発売されております。

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「Japanese Antitrust Law Manual, Law, Cases and Interpretation of the Japanese Antimonopoly Act」
Dr. Inoueが執筆した英文による独占禁止法の解説書がKluwer Law International社から出版されました。日本でも購入が可能です。
HOME流通取引に関わる問題実体編不当な取引制限の終期

カルテル参加者が、カルテル参加を取りやめたと称しているだけでは、違反行為が終結していると認定されてません!!

流通取引に関わる問題
近年、審査段階で当事者が自発的にカルテル合意の破棄を行うケースが多く、この場合、審決においてカルテルの合意の破棄の事実が認定されれば、当該日がカルテルの実行期間の終期とされます。たとえば、日本セメント事件では、「本件について当委員会が審査を開始したところ、8社は、平成2年4月17日、前記日本セメント株式会社北海道支店会議室で開催した支店長会において、前記二(一)の限度管理に関する決定及び前記三(一)の販売価格の引き上げに関する決定を破棄する旨の決定を行った。」ことが認定され、課徴金納付命令でも、同時点を終期と認定しています。カルテルとは共同行為であり、カルテル参加者が独自にカルテルの実行としての事業活動を取りやめたと称したとしても、それだけでは、実行期間の終期と認定されるとは限りません。当該事業者がカルテルの実行としての事業活動をやめ、その結果、競争が回復したと認められることによって、公正取引委員会の排除措置を待たずにカルテルそのものが終了したといえるような場合に、カルテルの実行としての事業活動の終了が認定されるのです。この場合においても、公正取引委員会は、排除措置命令を発令することができるわけですが、排除確保措置が取られた日が、終期と認定されるわけではありません。排除確保措置は、違法行為の排除を確保するための措置であり、競争の回復に万全を期するための措置ですから、終期そのものとは異なる概念です。終期に関する課徴金納付命令の記載を見ると、通常は、事業活動がなくなっている事実のみの記載にとどまることが少なくありませんが、実行としての事業活動の終了についての記述を含む場合もあることには注意が必要です。例えば、大阪トヨタフォークリフト事件では、「大阪トヨタフォークリフトは、・・・昭和54年9月21日、・・・逢坂会において、前記決定を破棄すること及び逢坂会を解散することを決定するとともに、同日をもって逢坂会を解散しており、その後は、大阪トヨタフォークリフトについては、違反行為の実行としての事業活動が認められない。」とされています。
 
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