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独占禁止法の法律相談.com
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HOME流通取引に関わる問題実体編市場シェアカルテル

市場シェアカルテルは、あらかじめ参加者それぞれの市場シェアを定めて、これを遵守するカルテルをいいます!

流通取引に関わる問題
市場シェア協定は、あらかじめ参加者それぞれの市場シェアを定めて、これを遵守するカルテルをいい、いろいろな方法が取られます。事後的にしか供給数量が把握できないような製品市場においても、あらかじめ定めた市場シェアとの乖離分(実際の需要に市場シェアを乗じたもの)を次年度の市場シェアに反映させるという方法により、実効性を確保することができますから、市場シェア協定の違法性が減少することはありません。自社の市場シェアの減少を回避するために、参加各社は、需要予測にそれぞれ市場シェアを乗じて得た数量を上限として供給するよう自社の行動を調整することになりますが、このような調整行動により、競争が実質的に制限されることは明らかであると考えられています。

市場における需要があらかじめ決まっているような製品市場においては、市場シェアさえ合意しておけば、供給数量まで制限する必要がないといえます。しかし、通常の製品市場においては、市場における需要は価格によって左右されるのであり、カルテル参加者が、市場における需要の変動に関わらずあらなじめ合意した数量しか市場に供給しないという形の数量制限カルテルは実行困難といえます。各カルテル参加者の供給数量の上限を決めておくという数量制限カルテルも想定し得ますが、それでは需要が急増した場合に、需要者に容易にカルテルが発覚してしまいますし、カルテル破りをするインセンティブも高くなります。審決の理由中で、年度の途中で数量制限を見直した事実がしばしば認定されることがあるのは、カルテル発覚を隠蔽する趣旨からと思われます。
 
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