2009年1月アーカイブ

2009年1月10日、REWE及びADEG間の合併についての欧州委員会の判断について、SPARから上訴が提起されたことについて、公的刊行物に公表がなされましたね。欧州委員会は両社の合併について、条件付で承認をしたのですが、これに対して、SPARは、第二段階の手続を開始して判断すべきであり、欧州委員会は法令適用を誤っており、その決定は取り消されるべきであると主張しています。両社はオーストリアの日用雑貨の小売及び卸売業者ですが、オーストリアにおける日用雑貨の販売市場における競争が減殺されるという懸念に対応するためREWEが事業の一部を第三者に譲渡する前提で、欧州委員会からの許可が得られたものです。SPARは、提案されたダイヴェスチャーのみでは、競争を維持することはできないと主張しています。Reported by Dr. Inoue

欧州委員会は、2008年12月29日、フランスの電力供給会社であるEdFに対して異議告知書を送付したと発表しましたね。欧州委員会の主張としては、同社が、フランス電力供給市場における市場支配的地位を濫用して、長期契約を要求したというものです。欧州委員会は2007年7月に調査開始に踏み切りました。同社は、問題の契約条項を修正したものの、欧州委員会は市場に対する閉鎖効果が発生している懸念を有しているようです。EdF社は記録の閲覧謄写が認められ、答弁書を提出する必要があります。

Reported by Dr. Inoue

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Dr. Akira Inoue

欧州競争法を専門とする法学博士・弁護士(日本国及び米国ニューヨーク州)。Baker & Mckenzie GJBJのAntitrust Practice Groupのメンバーの一員である。