最近の企業結合事例: 2008年5月アーカイブ

2008年4月29日、欧州委員会は、OracleのBEAに対する買収について承認しましたね。買収のスキームは、OracleがBEAの発行済み株式の全てを1株19.375ドルで購入し、BEAがOracleの100パーセント子会社になるというものです。取引総額は85億ドルに上るといわれており、欧州委員会における審査手続は2007年10月に開始されたものです。

欧州委員会によると、OracleとBEAは直接の競争関係になく、また、仮に買収が成立したとしても、関連製品市場において競争力のある競争相手がおり、消費者としては、代替の選択肢があることを理由として掲げています。欧州委員会は、関連製品市場の外縁をミドルウェア製品市場として確定して調査を実施したようです。

なお、水平的合併について適用すべきテスト及び分析の手法については、欧州委員会は、2004年5月1日にガイドラインを明らかにしています。当該ガイドラインによると、結合は、市場力がその結果増加する、あるいは複数の販売者への競争上重要な圧力を排除することで、市場の競争を著しく害することがあると指摘されています。取引の最も直接的な効果は結合当事者間の競争の消滅です。また、ガイドラインでは、競業企業間の競争の程度など、欧州委員会が考慮に入れる要素についての説明も提供されています。

Reported by Dr. Inoue

 

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