最近の制裁金事例の最近のブログ記事
2009年7月9日、欧州第一審裁判所は、Peugeot SA及びPeugeot Nederland NV (Peugeot)が上訴を提起していた輸出妨害事件について判断をし、欧州委員会の決定で認定された制裁金額4950万EURを減額し、4450万EURとしましたね。但し、欧州第一審裁判所は、上訴理由については、ほぼ棄却し、ただし、オランダと他の加盟国間の価格差が減少していた事実、及びかかる事実が車の輸出に及ぼす影響について十分な分析をしなかったとして、制裁金の減額をしました。Reported by Dr. Inoue
2008年6月17、18、19日にかけて欧州委員会が、合成洗剤メーカーに対する立入調査を実施しましたね。今回の立入調査は各国の競争当局とも共同して実施されたものでした。欧州委員会は、合成洗剤メーカー各社は、EC条約第81条に違反する行為に従事したと思量すべき十分な理由があるとしています。今回なされた立入調査は、プレリミナリーなものであり、今後、案件の複雑さによっては、審査手続が長期化する可能性も示唆されています。
Reported by Dr. Inoue
欧州委員会は、2006年11月8日、鉄鋼製梁カルテルに対する決定を再度採択し、Arcelor Luzembourg SA(前Arbed SA)社など合計3社に対して、欧州石炭鉄鋼共同体条約第65条、EC条約第81条違反を理由に1000万ユーロ(約15億円)の制裁金を科しました。
本件当事者は、1988年から1991年にかけて単一市場全域を対象に鉄鋼製梁の価格を決定し、数量を割り当てるとともに機密情報を交換していました。本件カルテルの対象商品は、熱延により仕上げられる幅広いフラン時のある梁と直径80ミリ以上のI字、H字、およびU字部分で構成される鉄鋼製梁で、主として建設業で用いられているものです。
欧州委員会は、制裁金額の選定にあたり、本件違反行為の実施機関において完全な暦年の最終年となった1990年のECにおける本件製品市場の規模、カルテルの継続期間、関係事業者の規模等の事情を考慮しました。本件に対する制裁金の総額は、通常であれば2000万ユーロの課徴金に加えて継続期間ごとに増額されることになりますが、1994年の欧州委員会決定でArbed SA社に対して科した金額は1999年3月11日の第一審裁判所判決により1000万ユーロに減額されているほか、本件固有の事情を考慮した結果、1000万ユーロとしたものです。
Authored by Dr. Inoue