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2008年6月25日、欧州委員会はフッ化アルミ製造メーカー数社に対して、EC条約第81条違反を理由として、総額497万ユーロの制裁金を賦課する、制裁金賦課決定を発令しましたね。本件は2005年3月に、ノルウェーのBokiden Oddaが制裁金免除申請をしたことに端を発して審査手続が開始されたものでした。審査の結果、2000年7月、ミランにおいて、カルテルメンバーが会合を開き、価格上昇の目標等について合意を形成した事実が認定されました。カルテル自体の実行期間は、2000年12月までであり、比較的短期間で終了しています。Bokiden Oddaは制裁金免除申請をしなければ100万ユーロの制裁金を課されるところでしたが、免除が認められた結果、制裁金賦課決定の対象になりませんでした。

Reported by Dr. Inoue

現在、ロサンゼルス滞在中ですが、ここロサンゼルスでも、塩素酸ナトリウム漂白紙カルテルの件で欧州委員会が2008年6月11日に発令した制裁金賦課決定は大変な注目を集めています。制裁金総額は79ミリオンユーロに上りましたね。本件では、1社が、2002年告示に基づき制裁金を免除されました。他方で、Arkema Franceについては、2006年ガイドラインに基づき、制裁金の金額が90パーセント増加しました。EKA Chemicalsは、2003年3月に制裁金免除申請をしており、制裁金が免除されました。親会社のAkzo NobelとEKA Chemicalsは、制裁金を免除されなければ、116,000,000ユーロに上る制裁金を課されていたところでした。

Reported by Dr. Inoue

EUにおいては、EC条約81条又は82条違反の事件の処理のために、欧州委員会と各加盟国の当局との間又は各加盟国の当局間で、収集・取得した情報及び資料の交換が予定されています。

リニエンシーの申請に際し違反事実及び証拠を提出して当局に協力した申請事業者のインセンティブを確保し、カルテル摘発の実効をきたす目的からは、違反企業の役職員といった個人につき、刑事処分の端緒となる資料が欧州委員会から加盟国の当局に対して提供されないことが重要といえます。

2003年理事会規則1号12条3項においては、個人に刑事罰を科すための証拠として情報等を提供することが認められるのは、①情報等を送付する当局の法律がEC条約81条若しくは82条違反に関し、同種の刑罰を予定しているか、又は②当該個人の防御権につき、情報等受領当局の国内法規において認められているのと同様の水準が確保されている方法で収集された場合(身体的拘束による刑罰を科すために使用する場合は情報等の提供は認められない。)に限ると規定されています。そして、欧州共同体においては、EC条約及びこれに関連する規則においては刑事罰は予定されておらず、欧州共同体における情報等取得時に受領国における刑事手続上必要とされる手続的保障と同等の保障が与えられているかにより、罰金刑目的で情報等の提供が認められるかが決せられることになります。

Authored by Dr. Inoue

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