最近の支配的地位の濫用事例: 2007年12月アーカイブ

オペラソフトウエアが、欧州委員会に対して、マイクロソフトの市場支配的地位の濫用行為について是正を申し立てました。実際に濫用行為が認定されるかどうかはわかりませんが、市場において影響力のない企業が、競争法を使って、市場において支配的な地位にある企業の行為を提訴する、いうなれば競争法を自社の競争力を拡大するための手段として使うという使い方は、今後も増えると思われます。市場において支配的な地位にある、あるいは有力な参加者として認識されている企業は、どのような事実と証拠が、競争法違反に該当するとして提訴の対象になるのか分析し、競争法に対する防波堤の建築を進める必要があるように思います。

以下、日本経済新聞からの引用です。

『インターネット閲覧ソフト開発のオペラソフトウエア(本社ノルウェー)は13日、米マイクロソフト(MS)が基本ソフト(OS)市場での独占的地位を乱用しているとして、欧州委員会に是正を申し立てたと発表した。MSが自社ブラウザーを切り離してOSを販売することや、競合ブラウザーをあらかじめOSに組み込むことなどを求めた。MSは10月、独禁法違反を巡り欧州委が2004年に出した是正命令の完全順守を表明したばかり。米メディアによると欧州委はオペラの申し立てへの対応を慎重に検討する。調査会社のまとめでは、ブラウザーの世界シェアはMSの「インターネット・エクスプローラ」が85%程度で首位。オペラは1%未満という。』

Dr. Inoue

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